「なに?」
「外川さんのつけてる香水? ていうか、香りはなんていうんですか?」
オレは、彼女に対しての一番の疑問を聞いた。
「あ、これ? カボティーニって言うの」
「カボティーニ・・・・・。ええ香りですね」
「ありがとう。最近では、一番気に入ってるのよ!」
ずっと気になっていた香りが判明したものの、初めて聞く名前だった。そんなコトを考えてるオレに彼女は言った。
「ねぇ。休みの日って何してる?」
「ん~と、寝てますわ、ほとんど」
「ずーっと?」
「一回も太陽見ないときもありますよ。ていうか、土曜の晩は朝方まで遊んでたりするんで」
「へぇ~。呑んでるの?」
「そうですね。呑み歩いてますわ」
「お酒つよいんだ。あたしはダメ。あんまり呑めないの。でも、カラオケとかは好きなんだよ」
彼女は、あきらかに「今度行きましょう」のヒトコトを待っていた。そのヒトコトを口にしかけたとき、唐突にこう言った。
「次の日曜、夕方には起きてくれない?」
「え? いいですけど?」
「観たい映画があるの。いっしょに行かない?」
「いいっすよ。なに観たいんすか?」
「アラジン!」
「アラジン? アニメっすか?」
テレビCMでやってる画像を思い出し、その主人公の姫がどことなく彼女に似てると思った。
「そういえば、あのお姫さま、外川さんに似てますよね」
「本当? うれしい! ああいう顔って好きなんだよね」
彼女の目はきらきら輝いていた。


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