2007年3月28日水曜日

1990年代~ナリのコト~(14)

「聞いていいっすか?」

「なに?」

「外川さんのつけてる香水? ていうか、香りはなんていうんですか?」

オレは、彼女に対しての一番の疑問を聞いた。

「あ、これ? カボティーニって言うの」

「カボティーニ・・・・・。ええ香りですね」

「ありがとう。最近では、一番気に入ってるのよ!」

ずっと気になっていた香りが判明したものの、初めて聞く名前だった。そんなコトを考えてるオレに彼女は言った。

「ねぇ。休みの日って何してる?」

「ん~と、寝てますわ、ほとんど」

「ずーっと?」

「一回も太陽見ないときもありますよ。ていうか、土曜の晩は朝方まで遊んでたりするんで」

「へぇ~。呑んでるの?」

「そうですね。呑み歩いてますわ」

「お酒つよいんだ。あたしはダメ。あんまり呑めないの。でも、カラオケとかは好きなんだよ」

彼女は、あきらかに「今度行きましょう」のヒトコトを待っていた。そのヒトコトを口にしかけたとき、唐突にこう言った。

「次の日曜、夕方には起きてくれない?」

「え? いいですけど?」

「観たい映画があるの。いっしょに行かない?」

「いいっすよ。なに観たいんすか?」

「アラジン!」

「アラジン? アニメっすか?」

テレビCMでやってる画像を思い出し、その主人公の姫がどことなく彼女に似てると思った。

「そういえば、あのお姫さま、外川さんに似てますよね」

「本当? うれしい! ああいう顔って好きなんだよね」

彼女の目はきらきら輝いていた。

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