2007年3月15日木曜日

1990年代~ナリのコト~(2)

当時、この会社は5年後に創業50周年を控え、オレはその社史編纂と記念事業を担当する臨時に設置された部門、すなわち記念事業部というそのまんまの名前の部署で、史料整理に明け暮れていた。定年間近の部長、地方支社から急遽異動してきた次長、主任、オレよりやや年上の女性社員、そしてオレというメンバー。

オレの業務のほとんどはワープロや、まだモノクロ画面でインターネットも普及していなかった時代のPCを使用していたのだが、社内のOA機器を統括していたOA課へ行くことが多かった。

OA課には、課長、次長、主任、男性社員2名、女性の嘱託という構成で、まだOA機器には不慣れだったオレにいろいろ教えてくれたのだ。もともと興味があっただけに、課で使い古しのノートPCを借り受け手ほどきを受けていた。

OA課の空いたデスクを借りつつ、ノートと格闘するオレ。そこへ「おつかれさまです」とお茶を持ってきてくれたのがオレと同じ嘱託、そうナリである。

本当の名は、ナリミ。福岡県出身でオレより3つ年上だった。やや日焼けした顔に黒髪のストレートのロング、いつもパンツスーツというのが彼女の定番スタイルだ。芸能人に例えるなら、「キャッツアイ」で有名な杏里に似た雰囲気だ。何回か目にお茶を入れてくれたトキそう言うと、「よく言われるんですよ!」と笑っていた。

嘱託歴3年のナリは、他の嘱託女性や受付嬢たちと食堂や外の定食屋でランチをし、終業後も受付横の休憩室で楽しそうにおしゃべりをしていた。九州の女性はハッキリした性格の人が多く、本社のある京都出身者にはしゃべりやすかったのかもしれない。

しかし、その食堂や休憩室でどんな会話がされているかを、まだオレはまったく知らなかったのだが。

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