2007年4月4日水曜日

1990年代~ナリのコト~(21)

その次の日の金曜日の夜、オレは開店すぐの「Mobby's」にいた。週に2回ほどの定番である。だいたいカウンターのハジに座るので、店ではそこは「Kちゃん席」と呼ばれているらしい。先日、タケダ嬢といっしょに行ったオールバックの店で遭遇したふたりもこの夜は出勤していた。

「いらっしゃい、Kちゃん。こないだはどうも♪」とトモ。

「あ~、彼女置いて帰った悪い人やぁ~」とユキ。

「あほか」とオレ。

「えぇ? なになに、Kちゃんの彼女てダレどんなん?」と横合いからママ・ナオミさんがニンマリ笑って参加してくる。まだ、客はオレだけ。これではいいアテである。

この会話に乗ってもよかったのだが、なんとなくめんどくさいので、あの夜の事情をかいつまんで説明する。ちょうど、そこでふたりづれの客が入ってきたのホッとする。ナオミさんとユキは、ボックスに座ったふたりの方へ行き、そして、カウンターの中の目の前にはトモだけになった。

「コロナおかわり」

「はぁい」

トモはコロナの栓を抜き、切ったライムを呑み口にトッピングする。

「はい! どうぞ♪」

ソフトパックのケントをくわえ、ジッポで火をつけながら

「おおきに」

と言い、ライムを搾りながらビンの中に沈めると一口呑む。この店では、キープしてあるジェムソンの前にコロナが定番。基本的にビール好きなオレ。

「Kちゃん、なんか疲れてへん?」

「ん? わかる?」

「彼女のことで悩んでるん?」

「彼女てダレのコト言うてるねん?」

「あはは♪ わかったって、こないだの人じゃないんやんね」

笑うトモを見ながら苦笑するオレ。そこで思いついて聞いてみた。

「なぁ、トモ」

「ん? なに?」

「女の子て、男に何を求めてるんやろ?」

漠然とした問いであるコトはわかっていた。でも、トモはあっさり言ってのけた。

「優しさと刺激・・・・・かな」

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