「いらっしゃい、Kちゃん。こないだはどうも♪」とトモ。
「あ~、彼女置いて帰った悪い人やぁ~」とユキ。
「あほか」とオレ。
「えぇ? なになに、Kちゃんの彼女てダレどんなん?」と横合いからママ・ナオミさんがニンマリ笑って参加してくる。まだ、客はオレだけ。これではいいアテである。
この会話に乗ってもよかったのだが、なんとなくめんどくさいので、あの夜の事情をかいつまんで説明する。ちょうど、そこでふたりづれの客が入ってきたのホッとする。ナオミさんとユキは、ボックスに座ったふたりの方へ行き、そして、カウンターの中の目の前にはトモだけになった。
「コロナおかわり」
「はぁい」
トモはコロナの栓を抜き、切ったライムを呑み口にトッピングする。
「はい! どうぞ♪」
ソフトパックのケントをくわえ、ジッポで火をつけながら
「おおきに」
と言い、ライムを搾りながらビンの中に沈めると一口呑む。この店では、キープしてあるジェムソンの前にコロナが定番。基本的にビール好きなオレ。
「Kちゃん、なんか疲れてへん?」
「ん? わかる?」
「彼女のことで悩んでるん?」
「彼女てダレのコト言うてるねん?」
「あはは♪ わかったって、こないだの人じゃないんやんね」
笑うトモを見ながら苦笑するオレ。そこで思いついて聞いてみた。
「なぁ、トモ」
「ん? なに?」
「女の子て、男に何を求めてるんやろ?」
漠然とした問いであるコトはわかっていた。でも、トモはあっさり言ってのけた。
「優しさと刺激・・・・・かな」


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