「あくまでも、あたしはって話よ。でも、けっこーみんなそうちゃうかな、って思うよ」
「やさしさは予想してたケド、刺激かぁ」
「刺激っていうか、やっぱりなんか「わぁ」っていうもんがたまには欲しいやん?」
刺激、人によっては強さ、あるいは驚きというコトかもしれない。それまで、女性に対してそんなコトを意識してつきあったコトはなかった。
ナリさんがニシダを引きずっていると思われる以上、オレは彼女に対してニシダ以上の刺激を提供しなければならないのだろうか? そんなコトを考えていると、トモが言う。
「ひょっとしてKちゃん、けっこう深刻なん?」
「いや、そういうワケでもないねんケドな。ま、また今度ゆっくり話すわ」
「なになに? Kちゃんの彼女の話?」
とナオミさんが横から楽しそうに入ってきた。この店は、ラウンジやクラブでなくあくまでショットバーであり、女性方はバーテンダーである。ボックス席であっても客の横に常に座っているワケではない。ナオミさんもユキも、ボックス席の客のオーダーを運び軽い会話を交わすとカウンターに戻ってくるのだ。
「いややわぁ。ボクはずぅっと、ナオミさん一筋ですやん♪」
オレは、ややオカマ風にふざけると
「あぁら、あ・り・が・と♪」
と切り返すナオミさんである。なんとかゴマかしたかな? と思っていると、カランと音を立てて入り口が開いた。


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