「ナリさん・・・スカート、かわいい」
「えぇ? そんなに珍しい・・・よね? やっぱり?」
彼女は少し照れくさそうに笑った。
「行こう!」
なんとなくうれしくなったオレは、そう言って彼女の手を取り、オレたちは地下ホームへの階段を降りていった。七条から三条までの10分ほどの車中、妙にテンションの高いオレたちがいた。三条大橋のたもとの階段を上がり地上へ出て、ほんの5分も歩けば目的の映画館だが、時間に余裕があったコトもあって、のんびりとどこかじゃれ合うように歩いていた。そして、映画館の手前にあるファーストフードでアイスティーを飲んで時間を潰す間にも、会話がつきず上映時間ギリギリで映画館に滑り込んだほどだった。
「アラジン」は、ところどころ子どものころ読んだ童話を思い出しながらみていた。そして、思ったとおり主人公のお姫さまは、どこかナリさんに似ていて、今でもテーマソングを聴くと、そのお姫さまに顔を思い出すと同時にカボティーニの香りがどこかから香る気がするのだ。
「おもしろかったね」
「うん。やっぱり、あの姫さまってナリさんに似てる」
「そう? うれしいな」
「おなかすいたね」
「うん!」
日が長くなったが、もう時刻は7時に近かった。オレは、以前からよく行っている和風ダイニングへと彼女を誘った。今では乱立しているこの手の店も、この頃はまだ珍しかったのだ。


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