2007年4月10日火曜日

1990年代~ナリのコト~(26)

京阪七条駅で5分ほど待つと彼女はやってきた。驚いたのは、オレが見る初めてのスカートをはいた彼女の姿だった。

「ナリさん・・・スカート、かわいい」

「えぇ? そんなに珍しい・・・よね? やっぱり?」

彼女は少し照れくさそうに笑った。

「行こう!」

なんとなくうれしくなったオレは、そう言って彼女の手を取り、オレたちは地下ホームへの階段を降りていった。七条から三条までの10分ほどの車中、妙にテンションの高いオレたちがいた。三条大橋のたもとの階段を上がり地上へ出て、ほんの5分も歩けば目的の映画館だが、時間に余裕があったコトもあって、のんびりとどこかじゃれ合うように歩いていた。そして、映画館の手前にあるファーストフードでアイスティーを飲んで時間を潰す間にも、会話がつきず上映時間ギリギリで映画館に滑り込んだほどだった。

「アラジン」は、ところどころ子どものころ読んだ童話を思い出しながらみていた。そして、思ったとおり主人公のお姫さまは、どこかナリさんに似ていて、今でもテーマソングを聴くと、そのお姫さまに顔を思い出すと同時にカボティーニの香りがどこかから香る気がするのだ。

「おもしろかったね」

「うん。やっぱり、あの姫さまってナリさんに似てる」

「そう? うれしいな」

「おなかすいたね」

「うん!」

日が長くなったが、もう時刻は7時に近かった。オレは、以前からよく行っている和風ダイニングへと彼女を誘った。今では乱立しているこの手の店も、この頃はまだ珍しかったのだ。

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