2007年4月15日日曜日

1990年代~ナリのコト~(30)

「Kちゃ~ん♪ 彼女?」

カマボコふたりは、うれしそう&楽しそうに聞く。

「ん~と~。ご想像のお任せ~」

と、オレはごまかし半分にふたりを振り切りお手洗いへ駆け込んだ。そう。はっきり「彼女や」と、まだ言えないオレだった。だって、まだ「好きだ」と言っていない。寝たから彼女なのか? そうではない。思いが通じてるかどうかが、オレの中で問われていた。

お手洗いを出ると、トモとすれ違った。トモはもうカマボコではなかったが、オレを認めると小声で言った。

「Kちゃん、センスいいよね」

ナリさんのコト、存在、彼女を選んだオレに言っているのかもしれない。ただ、トモは鋭い感性を持った子であるコトは、これまでの呑み友だちとしての付き合いで、しばしば感じていたコトだ。

「ん~。そのうち、ゆっくり報告するわ」

「楽しみにしてる♪」

オレは、ややカマボコになったトモに笑って席にもどった。ナリさんは、グラスを片手に店のBGMに耳を傾けていた。その姿を見て「かわいい」、そう思った。

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