「今日はありがとう。本当に楽しかった」
「い~え。どういたしまして、姫」
夕方、アラジンを観たのが、もうだいぶ前のように感じるが、アラジンを真似てオレは言った。ナリさんは、笑いながら
「やだ。もう」
「お送りします」
「はい。お願いします」
お互いに顔を見合わせて笑いながら歩いていると、ナリさんのマンションまで、あと1分というトコで数人の人影が見えた。
「やだ、また」
顔を曇らせたナリさんが言った。
「なに?」
「あの連中よ。毎晩、あそこらへんにタムロっててね。別に何かされたワケじゃないんだケド、なんかイヤなの」
見ると、なるほど高校生かハタチくらいの男たちがなにやら楽しそうにしゃべっている。ヤンキーや暴走族というほどの危険性は感じないが、夜も11時半ではあまり好んで近づきたくはない存在だ。オレはナリさんに言った。
「シカトして、フツーに行こう」
「うん。わかった」


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