2007年4月26日木曜日

1990年代~ナリのコト~(36)

彼女の家に泊まった夜、彼女の元彼ニシダとオレと同じ部のイカワが急接近しているコトを話す彼女の眼は真剣だった。ナリさんは、まだニシダを想っている。ナリさんとは寝た。でも、だからといって彼女の心はドコなのか? それがオレにとってのハードルとなっている。

いいじゃん、べつに。そう思うコトもできたのだろう。でも、できないのがオレだ。

月曜日の朝、案の定ギリギリまで寝てたオレは、なんとか定時に会社に駆け込んだ。オレのやや後から、やはり駆け込んだ彼女とばったり遭遇。彼女は満面の笑みで、でも周囲に気づかれないように言った。

「おっはよ~♪ 昨日はありがとね」

「いえいえ、こちらこそ♪」

「今夜、楽しみにしてるね」

すれ違いざま、ささやくように言った彼女に、オレも同じようにささやいた。

「オッケー。まかされて~」

学生時代や寮暮らしで料理は好きだったオレは、今夜の手順を考えつつ、その日の業務をこなしたが集中力なんぞあるワケもなかった。イカワの存在も意識的に無視しながら。

「おつかれさまでした!」

と、定時には元気いっぱい退社し、買出しに向かうオレだった。

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