「・・・。ごめんね。・・・本当にアタシ、バカだよね」
涙声の彼女は、オレを見ながら、やっとそう言った。それを聞いて、オレたちはようやくスタート地点に立ったのだと思った。
彼女の中に、ニシダのコトが残っているコトは間違いないだろう。でも、彼女はオレにそれを消してほしいと思っている。ニシダがまだ好き? と聞いて答えた「そんなコトないよ。きっと」の「きっと」には、きっとそんな思いがあるのだと感じた。
「泣かないで、ナリさん」
「うん。ごめんね」
そっと立ち上がったオレは、彼女に近づいた。そして彼女をそっと抱きしめようとした、そのトキその音は鳴った。
「ピンポーン♪」
玄関のチャイムだった。


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