2007年6月14日木曜日

1990年代~ナリのコト~(46)

オレのマンションから、ナリさんのマンションまでは、ゆっくり歩いても10分そこそこ。

「あ~、おいしかった。ごちそうさまでした」

「いいえ~。今度は、前日からもっと煮込んでおきますわ」

「うん。期待してるね♪ でも、今度はアタシがごちそうするね」

「わ、うれしいなぁ。期待してまっす!」

「でもアタシ、たいしたものできないのよ。それでもよければ、だケド」

「了解なり」

しばし、風にふかれるオレたち。

「千里さん、かわいいね」

「えぇ? まぁ、兄弟やからあんまりわからへんケド」

「あはは、そうだよね」

彼女のマンションの前に来て、彼女は言った。

「今夜は本当にありがとう。すごくうれしかった」

「いや。オレ、ちゃんと言いたかったから」

「うん。ありがとう」

照れ笑いの彼女。オレは、すばやく周囲を見回し人影のないコトを確認すると、そんな彼女を抱き寄せた。彼女の抵抗はなかった。

「・・・千里さん、待ってるよ」

「うん・・・。おやすみ」

彼女の体をゆっくり離しながらそう言ったオレ。彼女も同じように言う。

「おやすみなさい。・・・そうだ、よかったら明日の朝いっしょに行く?」

「え?」

「さすがに社までは、あとが面倒だから途中までの方がいいと思うケドね」

「オッケー。じゃ、七条通りのコンビニの前あたりでどう?」

「いいよ! じゃあ、8:15にね♪」

「寝坊しないように。って、オレか?」

「あはは、そうそう! じゃ、おやすみ!」

「おやすみ!」

彼女を見送り、なんだか、オレは遠足前夜の子どものようにうきうきしながら帰途についた。

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