「あ~、おいしかった。ごちそうさまでした」
「いいえ~。今度は、前日からもっと煮込んでおきますわ」
「うん。期待してるね♪ でも、今度はアタシがごちそうするね」
「わ、うれしいなぁ。期待してまっす!」
「でもアタシ、たいしたものできないのよ。それでもよければ、だケド」
「了解なり」
しばし、風にふかれるオレたち。
「千里さん、かわいいね」
「えぇ? まぁ、兄弟やからあんまりわからへんケド」
「あはは、そうだよね」
彼女のマンションの前に来て、彼女は言った。
「今夜は本当にありがとう。すごくうれしかった」
「いや。オレ、ちゃんと言いたかったから」
「うん。ありがとう」
照れ笑いの彼女。オレは、すばやく周囲を見回し人影のないコトを確認すると、そんな彼女を抱き寄せた。彼女の抵抗はなかった。
「・・・千里さん、待ってるよ」
「うん・・・。おやすみ」
彼女の体をゆっくり離しながらそう言ったオレ。彼女も同じように言う。
「おやすみなさい。・・・そうだ、よかったら明日の朝いっしょに行く?」
「え?」
「さすがに社までは、あとが面倒だから途中までの方がいいと思うケドね」
「オッケー。じゃ、七条通りのコンビニの前あたりでどう?」
「いいよ! じゃあ、8:15にね♪」
「寝坊しないように。って、オレか?」
「あはは、そうそう! じゃ、おやすみ!」
「おやすみ!」
彼女を見送り、なんだか、オレは遠足前夜の子どものようにうきうきしながら帰途についた。


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