2009年10月9日金曜日

1990年代~ナリのコト~(51)

「温泉に行きたいな♪」

連休明け、香港から帰ってきた彼女は唐突にこう行った。

「へ?」

「お・ん・せ・ん♪」

オレと? などと聞き返しそうになったが、そうなのだろう。付き合い始めたばかりのオレにとって、なかなか飲み込むまでに時間がかるのだ(笑)

「ええなぁ。どこかええトコないか探してみるわ」

「ホント? うれしぃな♪」

無邪気に笑う彼女。その積極さというか、ノリの良さに圧倒されるオレ。

明日にでも本屋に行って旅行雑誌をあさってこようと思いつつビールを飲んだ。


香港から帰ってきた日、すぐに電話をくれた彼女は翌日の夜に鍋をしようと誘ってくれた。

会いたくてしょうがなかったオレに異存はなく、その日、会社ですれ違ったときに「ただいま♪」と小声でささやいた彼女の笑顔に有頂天だった。

「はい、おみやげ!」

「お? おおきに! 空けてもええ?」

「うん!」

免税店の名の入った包装紙をはがすと、KENZOのロゴの小箱。なんだろう? と思いつつ小箱の中身を取り出すと竹のようなデザインの黒いビンだった。

「これって?」

「前に言ってた香水よ♪ きっと似合うと思うんだ」

「あぁ! これがそうなんや?」

匂ってみると、ほのかに香る、それでいて女性ものとは違う香りがした。

「あ、ええ匂いや」

「でしょでしょ!」

「ありがとう。でも、これって会社につけてった方がええかな? オレ慣れてへんから、人に突っ込まれたらうまくごまかせへんかもしれへんで(苦笑)」

「あ、そっか。いいよ、気が向いたときにつけてくれたら」

「わかった、でも、つけてみたい好奇心もあんねんで♪」

「ホント? じゃ、さっそくつけてみて~♪」

「まじ?」

1 件のコメント:

★★ さんのコメント...

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