2011年9月29日木曜日

1990年代~ナリのコト~(52)

「……」

「早く早くw」

「…どこにつけたらええのん^^;?」

「…あはw! そっかw あのね、まず手首に押し付けてみたらいいよ♪」

おそるおそる言われたとおりにしてみるオレ。ボトルの口を左手首に押し付けてみる。そして、そのままボトルをひっくり返すと、注射のときのアルコール消毒のようなひんやり感がした。

「…これでええのん?」

「そぅそぅw!」

楽しげなナリが微笑みながら言う。

ボトルをもどして離す。そしてボトルにキャップをする。

ほんのり柑橘系のような香りがして、それが自分の香りだと思えないような不思議な感じがした。

「どぉ? いい香りでしょ??」

「うん。なんか不思議な感じや」

「あははw! 最初はそうかも? でも、きっと慣れたら香りなしにいられなくなるかもw」

「そぅなん? それも困るかもw」

「でもね、なんか自分の変化を楽しむっていうの? そんな感じがするのよ」

「あ、うん、その感覚、わかる気がする」

「よかった♪」

「意外な発見やなぁw おおきに♪」

「いぇいぇw」

本当に不思議な感覚である。ユギの気持ちもわかる気がしてきた。彼は学生時代から常に彼の香りをまとっていた。臭いとは思わないまでも、どこかで理解できない存在であった。

「…Kさん」

「ん?」

新たな感覚との出会いに浸るオレに彼女はストレートに言った。

「…抱いて。その香りのKさんに包まれたいの」

「…ええよ。おぃで」

その夜、オレたちは二回目の邂逅と、初めて朝までともに過ごした。

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