2007年4月14日土曜日

1990年代~ナリのコト~(29)

「おまたせしました」

と、オーダーを運んできたのはナオミさんではなくトモだった。

「トモ、おおきに」

「い~え。いらっしゃいませ。こちらチンザノです」

と、ナリさんにチンザノのグラスを置く。

「ありがとう」

ナリさんは答える。見ると、トモの目も「カマボコ」になっていて、オレはまたふきだしそうになる。そんなオレを見て、トモは言った。

「なに? Kちゃん?」

「いや、別に。ていうか、トモの目、カマボコ」

そう言うとナリさんが笑った。ワケがわからないトモは

「やだ、なに? カマボコって?」

「ん~とな、トモの目がカマボコの形になってんねん」

「えぇ? ホンマに? 見てくる」

と言ってお手洗いの方へ行くトモ。それを見て、オレたちは笑う。そして、ナリさんは

「カマボコ、新鮮なのかな? アタシら、けっこー普通に使ってたんだケド」

「ひょっとして、福岡限定なんちゃう?」

「そんなコトないよ~。社でも通じるもん」

「じゃ、業界用語ちゃう?」

「そうかも」

と笑いあった。そこで、トモにつられたワケではないがお手洗いに行きたくなったので、オレは「ちょっとごめん」と言って店の奥へ行った。それを見たのか、お手洗いの手前にはナオミさんとトモが、目をカマボコにして待ち構えていた。

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