と、オーダーを運んできたのはナオミさんではなくトモだった。
「トモ、おおきに」
「い~え。いらっしゃいませ。こちらチンザノです」
と、ナリさんにチンザノのグラスを置く。
「ありがとう」
ナリさんは答える。見ると、トモの目も「カマボコ」になっていて、オレはまたふきだしそうになる。そんなオレを見て、トモは言った。
「なに? Kちゃん?」
「いや、別に。ていうか、トモの目、カマボコ」
そう言うとナリさんが笑った。ワケがわからないトモは
「やだ、なに? カマボコって?」
「ん~とな、トモの目がカマボコの形になってんねん」
「えぇ? ホンマに? 見てくる」
と言ってお手洗いの方へ行くトモ。それを見て、オレたちは笑う。そして、ナリさんは
「カマボコ、新鮮なのかな? アタシら、けっこー普通に使ってたんだケド」
「ひょっとして、福岡限定なんちゃう?」
「そんなコトないよ~。社でも通じるもん」
「じゃ、業界用語ちゃう?」
「そうかも」
と笑いあった。そこで、トモにつられたワケではないがお手洗いに行きたくなったので、オレは「ちょっとごめん」と言って店の奥へ行った。それを見たのか、お手洗いの手前にはナオミさんとトモが、目をカマボコにして待ち構えていた。


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